2017-10
猫のおわび
我が家にはいつの間にか2匹の猫が出入りするようになった。
はじめは白に赤毛がやって来て、
1年後この猫が白にグレーの弟を連れてきた。(ちなみに母猫は三毛)
猫嫌いな愛犬が年老いてあまりかまわなくなったのと、
2匹が利口で悪さをしないので
なんとなく許していて、特に店主に懐いている。
いつも仲良くゴロゴロする姿になんだか癒される私達だったが
きちんと飼おうとすると猫たちは逃げてしまい、
なかなか飼い猫になってくれないまま1年以上が過ぎていた。
ところが先日、留守中に台所に入り込みお出汁のパックを包装袋から
引き出してバラバラに引きちぎるという悪事をやらかした。
やはり野良猫、店主は2匹を前にこんな事をしたらダメだと諭し、
しばらく冷たい態度で接していたらしい。
それから数日経ったある日、
「こんばんは」と、私の目の前を2匹が通り抜け階段を上っていった。
アレレと目を遣ると弟猫が口にプラリと何かくわえているのが見えた。
おまけに側にいるドヤ顔の兄猫。
嫌な予感。鳥肌が立つくらい嫌な予感。
上の部屋には店主が居る。
「今猫が行ったけどなんかくわえとったよー、やばいよー」と上に叫ぶ。
と、すぐに店主の悲鳴「えっ!えっ!えーーーっ!ダメ、ダメ、ダメーーー!」
店主の悲鳴に2匹はおどろいて脱兎のごとく階段を駆け下り
外へ出て行ってしまった。
予感は的中、弟猫はどこかで捕獲したネズミをくわえていたのだった。
店主は弟猫のグレーの色と同じ色のネズミだったので最初は分からなかったらしい。
自分のしっぽをくわえているのかと思ったって・・・そんなアホな。
チラリと見ただけだが、大きな丸々したネズミだった。
大きくて立派で美味しそうなの捕まえたから真っ先に
最近つれないおっちゃんに持って行こうって。
この前はごめんなさいのココロで。
つまりあれは減点を取り返すための店主へのお詫びの品に違いないと思った。
兄猫はそばで大好きなおっちゃんの喜ぶ姿を想像して
ワクワクしていたのかもしれない。「弟がやりましたーっ!」って。
ところが驚きと恐怖にさけぶおっちゃんを見て
期待はずれに今頃落胆しているかな・・・と思ったら笑えてくる。
猫は義理堅い。義理堅くて面白い。
今度はお魚くらいにしておいてニャ。