るごろの営業日誌

味噌喰い地蔵まつり

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8月24日は、この地域の一大イベント『味噌喰い地蔵まつり』の日。
味噌を食べ過ぎて地蔵になった男のまつり…ではなく、
享保の大飢饉で亡くなった人々を慰霊するために
200年以上前に建立されたお地蔵様があって、
この日味噌や塩を供えて供養祭が行われる。
小さな祠は提灯できれいに飾り付けられて、地域の人がお参りに訪れ
ひっきりなしにお線香があがる。

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享保の大飢饉の際、福岡藩では荒戸に粥場を設置。
そこを目指した多くの飢人たちが、
ゆるやかな丘のてっぺんになるこのあたりで力尽きたという。
もちろん色んな場所から人々は粥場を目指したわけで、
福岡市にはこういったお地蔵様や慰霊碑が川端や動物園のある
南公園などあちこちに点在している。

お地蔵様の口に味噌を塗ると大願成就するという逸話があったらしい。
味噌の塩分で劣化してしまったのかここのお地蔵様は顔がほとんど無い。
今はさすがに塗りたくる人はいないが、色んな意味で痛々しいおはなし。

さて立ち番の私は二人一組、夜7時から8時までお地蔵様のかたわらで、
火の番とお参りに来る方へ粗品を差し上げる。
子供へは駄菓子セット、大人にはゴミ袋。
普段挨拶程度のご近所さんとお話しできたりなんかして、
思いの外充実の1時間になった。

ここは中央区で、マンションも多いから人口もそれなりにと
思われがちだが、実際は数年前には子供会が無くなり、
最近老人会も解散してしまった。
ドーナツ化現象に加え、こういった地域の会に参加する人も
減っているのだろう。

味噌喰い地蔵まつりのもう一つの会場である
近所の公園では小さなお祭りが催される。
地域の人による出店やバザーに子供たちの賑やかな声が響く。
そうは言っても、ここに暮らし始めた10年くらい前より
ずっと子供の数がふえた気がする。
あちこちで聞こえる子供たちの足音や叫び声が何だか心地よく、
立ち番帰りにもらった駄菓子セットのお菓子を頬張りながら
緑茶をいただく夏の終わり。

2015-08-26 | Posted in るごろの営業日誌No Comments »