2015-08
小倉にて
お盆の最終日は小倉へでかけた。
予定の時間より早く着いて、井筒屋でお線香を買う。
1番良いやつ…ウソ、5番目くらいに良いもの。
それからレストラン街でお蕎麦を食べて、
正面玄関に設置してあるソファに腰掛け
地下でテイクアウトした珈琲を飲みながら友人を待つ。
ここはかつての職場、本館はずいぶん古びてしまって、
外壁のタイルなんか継ぎ接ぎだらけ。
そういえばSさん、弁当売りに来てたな。
何を思ったか予告なしに突然弁当持ってきて販売、
美味しいもんだから先輩たちにも好評だったけど、
職場に持込み販売などもちろんご法度、
上司に見つかって叱られないか内心ヒヤヒヤものだった。
その後にわか弁当屋はすぐに終了したけど
変に肝のすわった人だった。
小倉の下町にあったSさんのバーは
いつも賑わっていて様々な人間が集った。
Sさんは人を楽しませる天才で、
職業も年代も越えてSさんを中心にお客同士が緩やかに繋がり
心地よく過ごすことができる店だった。
(ちなみにるごろ店主はここで一時期アルバイトをしていた)
現在は再開発で店は移転、
店のあった場所には立派なタワーマンションが建ち、
その一室の自宅でSさんが一人急逝したのが今年の6月の事だった。
享年57歳。
知らせを受けたのが入梅の会の準備で梅の木にぶら下がっている時だったし
店主もイベントの準備に追われていたので、結局お通夜も葬儀も参加できず
お参りがお盆になってしまった。
友人と二人、妹さんのお宅にうかがい、
胡蝶蘭に囲まれた遺影の前にさっき買ったお線香を供える。
遺影をみつめながら、あぁ、やっぱり死んじゃったんだなと思う。
しかし…この遺影の写真、めちゃくちゃ笑っている。
四角いフレームの中でSさんが爆笑している。
「Sさん来たよ。元気でしたか?」
—- ヒュードロドロドロ〜 —-
『あんた相変わらずバカやね〜、もう死んどるっちゃ。』
「あ、失礼。っていうか死ぬのちょっと早すぎじゃない?」
『そっちゃ!あんたも〜ビックリしたわ〜
こげん早く死ぬとか思わんけさー、びっしり予定入れとったんよ。
旅行だけは心残りやわーー』
などとあの世のSさんとの会話を妄想したりして。
妹さんの話だと、自分の死期が分かっていたかのように
ここのところずっと旅行三昧で、毎月何処かへ行っており、
3ヶ月先まで予約がしっかり入っていたという。
人生を謳歌してたんだなぁ、あの人らしい。
6月のお通夜にはなんと700人を超える人が訪れたという。
「Sさんにはお世話になりました」とみんなが口を揃えて言うので
兄ちゃん何者?って妹さんとても驚いたそう。
るごろ夫婦が出会ったのもSさんの店。
るごろの種を蒔いてくれた。
Sさんのお店は一旦閉店し、スタッフが新たにスタートさせるという。
ありがとう、さよなら、どうぞ安らかに。
味噌喰い地蔵まつり
8月24日は、この地域の一大イベント『味噌喰い地蔵まつり』の日。
味噌を食べ過ぎて地蔵になった男のまつり…ではなく、
享保の大飢饉で亡くなった人々を慰霊するために
200年以上前に建立されたお地蔵様があって、
この日味噌や塩を供えて供養祭が行われる。
小さな祠は提灯できれいに飾り付けられて、地域の人がお参りに訪れ
ひっきりなしにお線香があがる。
享保の大飢饉の際、福岡藩では荒戸に粥場を設置。
そこを目指した多くの飢人たちが、
ゆるやかな丘のてっぺんになるこのあたりで力尽きたという。
もちろん色んな場所から人々は粥場を目指したわけで、
福岡市にはこういったお地蔵様や慰霊碑が川端や動物園のある
南公園などあちこちに点在している。
お地蔵様の口に味噌を塗ると大願成就するという逸話があったらしい。
味噌の塩分で劣化してしまったのかここのお地蔵様は顔がほとんど無い。
今はさすがに塗りたくる人はいないが、色んな意味で痛々しいおはなし。
さて立ち番の私は二人一組、夜7時から8時までお地蔵様のかたわらで、
火の番とお参りに来る方へ粗品を差し上げる。
子供へは駄菓子セット、大人にはゴミ袋。
普段挨拶程度のご近所さんとお話しできたりなんかして、
思いの外充実の1時間になった。
ここは中央区で、マンションも多いから人口もそれなりにと
思われがちだが、実際は数年前には子供会が無くなり、
最近老人会も解散してしまった。
ドーナツ化現象に加え、こういった地域の会に参加する人も
減っているのだろう。
味噌喰い地蔵まつりのもう一つの会場である
近所の公園では小さなお祭りが催される。
地域の人による出店やバザーに子供たちの賑やかな声が響く。
そうは言っても、ここに暮らし始めた10年くらい前より
ずっと子供の数がふえた気がする。
あちこちで聞こえる子供たちの足音や叫び声が何だか心地よく、
立ち番帰りにもらった駄菓子セットのお菓子を頬張りながら
緑茶をいただく夏の終わり。
終了しました。
スープカリーとかき氷と珈琲を楽しむ会終了しました。
今回はとってもスペシャルな会になりました。
カヨカリさんは野菜などの具を今回はその場で揚げてくれたので、
ピリリとスパイシーなカリーと、あつあつの具とあいまって
フーフー、ヒーヒー、うまうまの夏にはもってこいのスープカリーでした。
珈琲chibaさんは普段なかなか味わえない
高級豆の『ハワイ』を惜しげも無く出してくれました。
なんと1杯300円!スペシャルです。
今回はホットのみ。香り高い珈琲を沢山の方に楽しんでもらいました。
かき氷はいつもの、きれいおいしいシロップに果物のピューレをトッピング。
これが見た目にも美しく、氷に合う絶妙な濃度の味で、
かき氷スワンの新境地、他では真似できない美味しさです。
お客様のわ〜っという歓声があがっておりました。
いや、本当に美味しかった。
お越しいただいたお客様、本当にありがとうございました。
思いのほか早く完売してしまいましたが、
また来年よろしくお願いします。
食べそびれた〜という方、
かき氷スワンさんはあと3回出店されますよ。
8月22日(土) antique+ ふくや 11時〜売り切れ
福岡市中央区警固3-9-7
8月29日(土) 村上レシピ 11時〜17時
筑紫郡那珂川町西畑155
9月5日(土)泰勝寺 16時〜20時「夜のスパイス&ハーブ屋台」
熊本市中央区黒髪4-610
色んな味がありますので、早めに行かれるのをお勧めします。
茗荷
春頃植えていた茗荷の蕾が顔を出していた。
この蕾が茗荷と聞いたら浮ぶあの姿。
きざきざの頭で大地を割るように土からザクリと出てくる様子はとても力強い。
ガメラの手みたい。
やがて頭のイガイガの先にピヨーンと白い花が出てくる。
細く繊細な花で、いかつい蕾とのギャップに拍子抜けする。
恥ずかしながら茗荷がこうやって花を咲かせる事を初めて知った。
農家の祖母によると花が咲いてしまうと蕾の中がスカスカになって
柔らかくなってしまうのでできれば花の咲く前の固い状態で
収穫した方がいいと言っていた。
「食べれん事はなかよ」らしい。つまり商品にはならないという事。
もちろん商品にはしないし、それ以前に4つしか収穫できなかった。
でも数年すればもっと土と馴染んできて、たくさん蕾が出すようになるから
あちこちからガメラハンドがニョッキニョキ。楽しみ〜。
茗荷4つ収穫するほんの5分ほどの間に
半袖の腕にヤブ蚊が食い付いて5〜6カ所やられた。
これが痛いのなんの。ブヨに刺されたかと思った。
町の蚊とは質が違う、暴力的で殴り掛かってくる感じ。
ひぇ。
家に帰ると暑さで愛犬がぐったり寝ている。
この足裏・・・このザクザク感、茗荷っぽくないか?
こっちの匂いもたまらんと寝っ転がり、鼻を押し付けてクンクンする。
そのうちキックが飛んでくるのでギリッギリのあたりでかわす、
そのヒヤヒヤ感がくだらないけどやめられない。
今週末はスープカリーとかき氷、珈琲を楽しむ会です。
台風が心配ですが、逸れてくれることを祈って・・・
お待ちしております。